バカ・アーサナ(鶴のポーズ)【動画レッスン】

バカ・アーサナ(鶴のポーズ)

バカ:鶴
このアーサナが詳しく学べるクラス:ヨガファウンデーション・コース

 

今回はバカ・アーサナ(鶴のポーズ)を取り上げます。”バカ”という言葉がサンスクリット語では”鶴”を意味するということを知っておくのは精神衛生上非常に役立ちます・・・。このバカ・アーサナは両腕で身体を支える”アームバランス”の最も基本となるアーサナの一つです。

なぜ”アームバランス”なるものをヨガで行っていくのか?人間がまだ四足歩行をしていた時代、チンパンジーやオランウータンを想像していただけばわかりやすいですが、私たちの祖先はジャングルの中で自在に木登りをして樹上で暮らしていました。この時代私たちは両足と同様に両腕を使って自由に樹と樹の間を行き来していたのです。現在は二足歩行によって退化してはしまいましたが、私たちの両腕には自分が思っている以上に大きなポテンシャルが宿っているのです(シルク・ド・ソレイユに登場するアーティストたちがいかに自由に自分の両腕を使っているかを見れば、それが良くわかりますね)。そういう意味で今回取り上げる「バカ・アーサナ」に代表されるアームバランスの姿勢は、人間の両腕が本来持っている可能性を取り戻していくための作業であるとも言えるかもしれません。

両腕で身体を支えるとなると相当の腕力が必要であると思うかもしれませんが、腕力だけではアームバランスを行うことはできません。しっかりと両足から両腕に重心を移動させるためには腰の中心にある重心を胸の中心に移動させることがポイントになります。そのため、胸を開いたまま胸の位置をいかに前方に移動させるかが、アームバランスを行う上での一つの鍵となるのです。

また、同時にアームバランスにおいて両足を引き上げるための腸腰筋の筋力も非常に重要な要素の一つです。完成形をご覧になっていただければわかるとおり、両腕だけで身体を支えているということは両足が浮いているということですから、両足を宙に引き上げておくために強く両腿を引き寄せておかなければいけません。この両足を引き寄せるのに必要なのが、前回の「エーカ・パーダ・ラジャ・カポタ・アーサナⅠ」でストレッチした”腸腰筋”の力なのです。そういう意味でアームバランスは腸腰筋の筋力を非常に鍛えやすい姿勢でもあるのです。この足を引き上げる役割を果たす腸腰筋を鍛えることで歩いていても疲れにくくなったり、階段の上り下りが非常に楽になるというおまけがついてきます。

バカ・アーサナを行う時に膝頭は必ずわきの下にあてがわないといけないのですか?という質問をよく受けますが、膝頭をわきの下にあてがうことでこの腸腰筋をしっかりと使う意識がしっかりと養われるのです。二の腕の上に脛を乗せればより容易に足は引きあがりますが、ヨガのポーズの目的は単に足を引き上げることにあるわけではありません。足を引き上げることよりも一つ一つのポーズを行う過程でどのように筋肉に意識を向け、コントロールしていくかのほうがずっと重要であることも忘れないでおきたいものです。

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行い方

準備のポーズ

ポーズを行う前にまず準備のポーズで十分に身体を温めましょう。スーリャ・ナマスカーラ(太陽礼拝)とアドー・ムカ・シュワーナ・アーサナ(ダウンワード・フェイシング・ドッグ)、プランク・ポーズ(板のポーズ)とチャトランガ・ダンダ・アーサナ(四点杖のポーズ)を行うことをお勧めします。プランク・ポーズは一分間、チャトランガ・ダンダ・アーサナでは肘を90度の角度に保ち五呼吸程度ホールドする練習を繰り返しましょう。バカ・アーサナを行うのに必要な上腕三頭筋の筋力と体幹部の筋肉を鍛えることが出来ます。

 

ステップ1

まずは腰の重心を胸に移す感覚をつかむために、ヨガブロックを使い腰の位置を高くして練習します。

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次にヨガブロックを肩幅に縦に並べます。つま先がブロックから出る位置に立ち、前屈をしてブロックの20センチほど前方に手を下ろします。両手の幅は肩幅、手首の手前に出来る“しわ”のラインがマットの前面と平行になるように手を下ろしてください。五本の指は最大限に開き、人差し指の付け根に特に意識して重心を乗せます。

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かかとを思い切り引き上げ、膝を折りながら膝頭をわきの下のくぼみにしっかりと押し当てます。服を着て行う場合は衣類の繊維によって滑りやすくなる場合があるので、なるべく裾をめくって行うことをお勧めします。

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目線を前方に移し、あごをそらせます。両方の膝頭をしっかりとわきの下にあてがったまま、吸う息と共に胸の位置を前方に移動させます。足裏から両手のひらに重心が移るのを確認しましょう。可能なら片足をブロックから引き上げます。吐く息と共に腰の位置を後方に戻し、引き上げた足をブロックに戻します。同じ作業を足を入れ替えながら交互に繰り返してください。この作業によって、重心の移動のコツと足を引き上げる筋力を同時に身につけます。慣れてきたら吸う息と共に両足を引き上げてみてください。

 

ステップ2 

壁を使うことで完成形のイメージをつかむ方法です。

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爪先立ちになってかかとを引き上げた状態で、かかとを壁にあてがいます。そしてそのまま両手の位置をつま先の20センチ前方まで移動させます。この時も両腕のスタンスは肩幅、手首のしわのラインはマットの前方のラインと平行、大きく五本の指を開き人差し指の付け根にしっかりと重心を乗せる土台の意識を忘れないでください。

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膝を折り、肘を曲げ、左右の膝頭をそれぞれのわきの下にしっかりとあてがいます。目線を前方に移し、胸を前方に移動させていきます。

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壁に足を伝わせて少しずつかかとを引き上げていきます。伸ばせる範囲で両肘を伸ばしましょう。足裏で壁を押し出す力を使って足を引き上げた状態を維持していきましょう。

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壁なしで行う方法

完成形。ステップ1とステップ2を組み合わせることで、最終的にブロックと壁なしで身体を支える感覚と筋力を身につけることが可能となります。深い呼吸を行うことも忘れないようにしましょう。

ポイント

1.土台をしっかりと確認する。適当に手を下ろして行うと手首を傷めてしまう危険があります。
2.目線は前方に。あごを引くと前につんのめってしまいます。
3.思い切って胸を前に。腰から胸に重心を移すためには胸の位置をなるべく前方に移動させることが重要。

 

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