ヨガ哲学の小部屋「あきらめなかったパン作り」近藤麻里

今回のヨガ哲学の小部屋は、近藤麻里先生の小話です。
担当レッスン:毎週水曜日11:00-12:30 OPEN・19:30-21:00 入門

「あきらめなかったパン作り」

今から2000年前に成立されたヨガの根本経典「ヨーガ・スートラ」には、私たちが豊かで満ち足りた人生を歩んでいくために必要なさまざまな智恵が記されています。その「ヨーガ・スートラ」に"アヴィヤーサ”という言葉が記されています。アヴィヤーサは一般に「修習」と訳される言葉です。経験を積み、ある対象に対して波長を合わせるためのチューニング作業を続けることを”アヴィヤーサ”と言います。このアヴィヤーサを続けることでその対象に対する囚われがなくなっていくと言われています。

たとえば小さい頃、自転車を乗りこなすために毎日毎日練習した覚えはないでしょうか。最初は怖くて何度も転んだかもしれません。また自転車の事ばかりを考えていたかもしれません。しかし、次第に乗れるようになり、どこへ行く時も自転車を使っていると、自然と自転車が自分の一部のように感じ、悠々と何も考えず乗れるようになったはずです。このように、ある対象に対してアヴィヤーサを「長い間、休むことなく、真剣に」続けることで、その対象を十分に理解し、思うようにコントロールできるようになるのです。

私は最近パン作りを始めました。自宅近くの商業施設で料理教室の方に勧誘されたことがきっかけです。以前もパン作りをしたいと思い、材料を揃えたことがありましたが、その時は忙しく結局材料を腐らせてしまいました。今は生活も落ち着いてきたので、今回は良い機会だと思い、夫と2人で教室に申し込むことにしました。当時はワクワクした気持ちで教室に向かいました。到着すると、担当の方が色々と説明をしてくれて、いよいよパン作り体験が始まりました。この日作ったパンはアンチョビバターポテトで、パンの中にじゃがいもを入れる作業も行います。初めての事ばかりで、不慣れな手つきで生地をこねていました。最終的には、担当の方がずっとサポートをしてくれていたので、お店で売っているようなおいしいパンが焼き上がりました。私は嬉しくなり、自宅でも作ってみようと思いました。

一週間後、教室で教えてもらったことを思い出しながら自宅で夫とパンを作りをしようとしました。しかし、体験した日は手取り足取り教えてもらっていたため、作り方をほとんど覚えていないことがすぐにわかりました。そして、測りなどの道具もそろっていなかったこともあり、強力粉の分量を間違えたためか、パサパサのパンになってしまいました。この失敗から自分たちでパンを作ることの大変さを味わい、一瞬もうパン作りなんてやめようかなとも思いました。しかし、続けていくことで必ず上達するはずだと信じ、あきらめないことにしました。

それからというもの、パン作りの本を買い直し、必要な計器類などを一つ一つそろえていきました。そして2回、3回と自宅でのパン作りの経験を重ねました。すると徐々に要領も分かってきて、自宅でもおいしいパンが焼けるようになっていったのです。今ではいつでもおいしい焼きたてのパンを自宅で楽しむことができるようになりました。簡単にあきらめずに、努力を続けて本当に良かったと思っています。

みなさんも頑張ってもうまくいかず、思わず投げ出してしまいそうになる何かがあるかもしれません。しかし、最初は失敗して当たり前だということを忘れずに、簡単にあきらめないで継続することができれば、いつかきっとその努力は実を結び、大輪の花を咲かせるはずです。一緒にアヴィヤーサしていきましょう!

panpanmari
自宅で作ったパンと料理教室での一コマ。

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